最近バイクのバッテリーがヘタってきた気がするな・・。
新しいバッテリーに変えたいけど何かおすすめのバッテリーないかな~。
バイクのバッテリーって他のカスタムパーツと違って目の届きにくい場所にあるので、日ごろから気にかけている人は少ないと思います。
バッテリーは「エンジンをかける」以外にも、ウィンカーやヘッドライトなどの電装部品を駆動させるための電力供給を行うなど、バイクを乗る上では欠かせないとても重要な役割を持っています。
特に近年では色々な電子制御が備わったバイクも数多く生産されてますよね。
インジェクションと呼ばれる電子燃料噴射装置の他、ETCにグリップヒーター、USB充電器にLED電飾カスタム・・
電装カスタムまで挙げていたらキリがありません。
また、バイクのバッテリーの寿命は一般的に2年前後と言われています。
冬の寒い時期に長い期間放置したり、極端に電力を消耗させるような使い方をすることで劣化が早まってしまい、交換頻度は更に高くなってしまいます。
そんな中でバッテリーに対してあまり意識が向かないからという理由で、普段からの扱いをおざなりにしているとツーリング先で故障・・・なんてことも十分にあり得る話です。
とはいいつつも、バイクのバッテリーは種類が豊富で価格帯も幅広いです。
知識のあまりない方は結局のところどのバッテリーにしたらよいのか迷うことがある方も多いでしょう。
というわけで今回は各バッテリーの種類ごとのメリット・デメリットやおすすめの製品についてまとめてみました。
バイクのバッテリーはやや高価
困ったことにバイクのバッテリーは車のバッテリーより値段が少々高いです。
なぜなら、バイクのバッテリーには安定した性能に加えてコンパクト性が求められるからです。
前述のとおり、昨今はインジェクションやETCなどの電装設備が充実していることからも、それらに安定した電力供給が求められます。
そして、バイクのバッテリーは車体内部に収納されるので、なるべくサイズは小さく軽量である必要があります。
こういった理由から生産にコストがかかり、結果としてバッテリー自体の値段が高めに設定されてしまうのです。
バッテリーは妥協し過ぎると危険
中にはノーブランド品のもので安く手に入れることができますが、これはあまりおすすめしません。
なぜなら、低価格のバッテリーは「再精錬バッテリー」と呼ばれるものであることが多いからです。
再精錬バッテリーとは、一度使えなくなって廃棄されたバッテリーを再度精錬(復活)させたバッテリーのことを指します。
再精錬したからといって新品のように元通りになるということはなく、寿命も約1年しかなく新品のバッテリーと比べて大幅に短いです。
また品質も安定しないので、ツーリング先で突如トラブルに見舞われる可能性も増加します。
お財布に優しいというメリットはありますが、結果としてバイクの寿命を縮めかねないので、ノーブランドの低価格バッテリーを使用することはあまりおすすめしません。
バイクのバッテリーは3種類ある
バイクのバッテリーには異なる特徴を持つバッテリーが3種類あります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介していきます。
開放型バッテリー
開放型は鉛系バッテリーに属するもので、バッテリー内部が密閉されていなく蓋が開放できるタイプのバッテリーです。
・重量がある
・定期的に精製水(バッテリー液)を補充する必要がある
開放型バッテリーは、使用する内に精製水が蒸発して、少しずつ容量が減少していきます。
液量が少ない状態で使用することは危険なので、定期的に液面を確認して精製水を補充する手間があります。
比較的安価で手に入れることができるので、少しでも出費を抑えたいという方におすすめできます。
また開放型バッテリーには6Vと12Vの2種類のモデルがあります。
近年(2020年現在)は12Vのモデルが主流なのですが、古い年式のバイクについては6Vのモデルが使用されている場合もあります。
あらかじめ、あなたのバイクがどちらのモデルに対応しているのかを把握しておきましょう。
シールド型バッテリー
シールド型は開放型と同じ鉛系バッテリーに属しますが、開放型とは異なりバッテリー内部が完全密閉されているタイプのバッテリーです。
MF型(メンテナンスフリー型)とも呼ばれることがあります。
・精製水(バッテリー液)の補充が不要
・開放型と比較して性能が安定している
・重量がある
・開放型よりやや高価
シールド型バッテリーは開放型とは異なり、精製水が減ることがなくバッテリー本体の充電のみで使用し続けることができます。
これはバッテリーを使うことによって発生した化学反応ガスをバッテリー内の極板で吸収することで精製水の減少を抑えているのです。
極板というのはプラスとマイナスの極を持つ金属板のことです。
引用元:タイヤ館
値段は開放型に比べてやや高価ですが、安定した性能や維持保守性のしやすさからシールド型のバッテリーを使用している人は多いです。
私もこのシールド型のバッテリーを使用しています。
コストパフォーマンスや総合的なバランスを求める人におすすめできるバッテリーです。
リチウム系バッテリー
リチウム系バッテリーは鉛系バッテリーに代わって新しく登場したバッテリーです。
ドライバッテリーと呼ばれることもあります。
・鉛系に比べて非常に軽い
・充電しなくても長寿命
・鉛系に比べて高価
・過充電に弱い
リチウムバッテリーのメリットはとにかく軽いことで、鉛系のバッテリーに比べて1~1.5kgほど差があります。
これはバッテリーの素材として鉛液が使われていないことから実現されていて、大幅な軽量化が見込めることからレース用車両に取り付ける人が多いです。
またバッテリー自体が高性能で、充電をしなくとも半年~1年ほど持ちます。
一方で、リチウム系バッテリーは素材にレアメタルが使用されていることから鉛系バッテリーに比べて値段が高いです。
また、過充電に弱く、リチウムバッテリー用の適切な電圧の充電器を使用しないとバッテリーの破損につながる恐れがあります。
「頻繁にバイクに乗ることがない」「バイクを少しでも軽量化したい」「電装カスタムを増やしたい」という方には非常におすすめできるバッテリーです。
おすすめのバイク用バッテリー
ここからは各カテゴリごとにおすすめのバッテリーをご紹介します。
高性能・良コスパのバッテリーをご紹介していきますのでぜひチェックしてみてください。
開放型バッテリーのおすすめ
GSユアサ YB7C-A
重量 | 2.9kg |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 13.1 x 9.1 x 11.5 cm |
電圧 | 12V |
日本製の有名メーカーGSユアサが生産しているバッテリーです。
GSユアサのバッテリーは日本製とだけあって検品や保証がキチンとされており非常に高品質であることがウリです。
様々なバイクの純正バッテリーとしても採用されています。
高性能特殊合金極板とマットセパレータによる優れた始動性に加えて、自己放電が少なく長期保管でも安心して使えるのが特徴のバッテリーです。
シールド型バッテリーのおすすめ
GSユアサ YT4L-BS
重量 | 1.4kg |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 11.3 x 7 x 8.6 cm |
電圧 | 12V |
同じくGSユアサが生産しているシールド型バッテリーです。
重量が1.4kgとシールド型バッテリーの中でも軽いので、バイクの軽量化にもなります。
始動性・寿命・機能性に長けていながらも、2000円代という非常に手頃な価格で購入できるので、非常にコストパフォーマンスに優れています。
50cc~400cc未満の幅広い車種で純正バッテリーとして採用されています。
大型二輪にはあまり使用されていないので、50cc以上400cc未満のバイクには非常におすすめできるバッテリーです。
古河電池 FTZ14-BS
重量 | 4.8kg |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 15 x 14.5 x 8.7 cm |
電圧 | 12V |
GSユアサと同じく国内有名メーカーである古河電池が生産しているシールド型バッテリーです。
古河電池もGSユアサ同様、高品質で保証もしっかりとしている信頼性のあるメーカーです。
前述のYT4L-BSとは異なり、こちらは大型二輪向けのバッテリーで、カワサキのZX-14RやZZR1400の純正バッテリーとして採用されています。
私もこのバッテリーを愛用していますが、始動性はもちろんUSB充電器などの電装カスタムをしても安定した電圧を保ってくれているので非常に安心して使用しています。
交換から1年(2020年時点)ほど経過していますが、劣化する気配もなく向こう1年は余裕で持つでしょう。
大型バイクに乗っている方にはぜひおすすめしたいバッテリーです。
SUPER NATTO 65989-97S
重量 | 6.28kg |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 8.3 x 17.3 x 15.5 cm |
電圧 | 12V |
スーパーナットが生産している「65989-97S」です。
このバッテリーは他のバッテリーとは違い、ハーレー専用として設計・製造されているバッテリーです。
ハーレーのエボリューションやツインカムのエンジンは非常に振動が強く、排熱量も多いので、一般的なバッテリーを使用すると致命的なトラブルの原因になりかねません。
そんなハーレー専用バッテリーの一般的な製品との違いは、バッテリー自体の構造にあります。
AGMと呼ばれる構造で、グラスマットにバッテリー液を染み込ませることで、バッテリー液と極板がエンジンの振動の影響を受けることなく常に触れ合い、安定してガスの再合成を行うことができるんです。
また、AGM材という電気抵抗の低い素材を使用することで電力供給の効率を向上させて、長寿命化も図ることができます。
ハーレー乗りの方には間違いなくおすすめできるバッテリーなので、ぜひチェックしてみてください。
リチウム系バッテリーのおすすめ
SKYRICH HJTZ10S-FP
重量 | 864g |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 9.2 x 15.2 x 8.8 cm |
スカイリッチのバッテリーはとにかく軽いです。
重量は脅威の「864g」です。 念のため注釈ですがキログラムではなくグラムです。
よく純正採用されているシールド型バッテリーと比較して「半分~3分の1程度の重量」しかありません。
このバッテリーは400cc~リッタークラスの大型バイクまで幅広く対応しています。
そのため、純正バッテリーが数kgある大型バイクについては特に軽量化の恩恵を実感することができます。
またバッテリー自体にインジケーターがついており、充電器や計測器等を使用しなくてもバッテリーの残量を目視確認することができるのでメンテナンス性にも長けています。
バッテリー自体の自然放電率も低く、長期間放置していても劣化しにくいなどの特徴もあります。
価格はやや高めではありますが、重量・耐久性・性能のどれを取っても高品質なバッテリーなので非常におすすめできる製品です。
PERFECT POWER LFP7L-BS
重量 | 783g |
サイズ(奥行き × 幅 × 高さ) | 11.3 x 7 x 13 cm |
電圧 | 12.8V |
PERFECT POWERから生産されている125cc~250ccの中型バイク向けのバッテリーです。
この製品の特長は、リチウム系バッテリーの中でもお安く購入ができるというところ。
こちらも前述のスカイリッチ製のリチウム系バッテリーと同様、インジケーターがついておりバッテリーの残量を一目で確認することができます。
また、LiFePO4テクノロジーと呼ばれる発火や爆発する恐れのあるガスの発生を抑える技術を採用しているため、安全設計にも長けているバッテリーということが言えます。
また、このバッテリーも自己放電率が低いため、長期間放置していても劣化がしにくく始動性が損なわれないというメリットがあります。
8000円程で安全性・整備性・耐久性が兼ね備わっているコストパフォーマンスに優れたバッテリーです。
おすすめのバイク用バッテリー まとめ
バイクの重要構成部品の内の一つであるバッテリーについてご紹介しました。
バッテリーはトラブルの発生が即走行不能に繋がりかねないので、価格面で妥協し過ぎることはあまりおすすめしません。
特に昨今ではUSB充電器やETCなどの電装カスタムも豊富になってきているので、なおさら注視するべき部品となってくるでしょう。
バイクのバッテリー選びの際は、この記事をぜひ参考にしてみてくださいね。