そろそろバイクのタイヤ交換しないとなー。
峠道を攻めるのが好きだし、たまにサーキットも行くからそれに合ったタイヤがいいなぁ・・。
峠やサーキットを早く走ってる人はハイグリップタイヤを履かせてる人が多いね。
今回は各メーカーのおすすめのハイグリップタイヤをまとめてみたよ。
峠道やサーキットを華麗に走り抜けるライダーってすごくかっこいいですよね。(公道は法令に則った運転を!)
そういったライダーの人たちはバイク用タイヤの中でも、「ハイグリップタイヤ」と呼ばれる運動性能に比重を置いたタイヤを履かせていることが多いです。
ただひとえにハイグリップタイヤと言っても、その種類やメーカーはとても豊富です。
各メーカーごとにタイヤの特色があって、評判もまちまちなので「結局のところどのタイヤが一番いいんだろう・・」と悩んでいる話をよく聞くことがあります。
というわけで今回は、ハイグリップタイヤの中でも特におすすめしたい有名メーカーのタイヤを4つピックアップしました。
「なんとなくハイグリップタイヤが欲しいと思ってるけど、具体的に何がいいのかはまだ決めてない・・」という方は、ぜひこの記事を見て自分が納得できるタイヤを探してみてください。
バイク用ハイグリップタイヤの特徴
一般的なタイヤは「乗り心地」や「ライフ(寿命)」など、タイヤの常用を考えた性能に比重を置いています。
一方でハイグリップタイヤは「グリップ力」「ブレーキ」「ハンドリング」などの運動性能に比重を置いたタイヤのことを指します。
主にサーキットなどのクローズドコースでのスポーツ走行を想定に生産されていますが、公道使用も可能なモデルも少なくありません。
続いてはハイグリップタイヤがもたらすメリットとデメリットについて説明します。
「そんなことはわかってるからおすすめを教えろ!」という方はこちらまで読み飛ばしてください。
ハイグリップタイヤのメリット
ハイグリップタイヤを履かせることによるメリットは大きく2つあります。
①ドライ路面におけるグリップ力が高い
②ドライ路面における制動力が高い
ドライ路面におけるグリップ力が高い
ハイグリップタイヤのグリップ力が高いと言われるには2つ理由があります。
1つ目は「一般的なタイヤに比べて溝が少ない」ということ。
これは溝を少なくすることで、タイヤの表面のゴム(トレッド)と路面がくっついている面積、いわゆる接地面積を広くさせるという目的があります。
タイヤの接地面積が増えるということは、それだけトレッドと路面同士が摩擦する面積が増えるというわけです。
そして2つ目は「タイヤのゴムがやわらかい」ということ。
タイヤのグリップ力というのは、接地面積の関係以外にも、路面の上を走行して発生した摩擦熱でタイヤを温めてやわらかくすることによって発生します。
タイヤがやわらかくなることによって、路面の凹凸とトレッド面を噛み合わせてグリップするというイメージですね。
それに加えてハイグリップタイヤは、そもそもやわらか目のコンパウンドを使用したゴムを使用しています。
タイヤのゴムがやわらかければそれだけ路面とガッチリ噛み合うことから、ハイグリップタイヤは一般的なタイヤよりグリップ力が高いと言われています。
ドライ路面における制動力が高い
制動力というのは「車体を減速させて停止させようとする力」のことを指します。
ハイグリップタイヤが高い制動力をもたらす原理は前述したグリップ力の話と同じです。
つまりは、
①路面との接地面積を大きく
②なおかつ路面と噛み合う力を強く
こうしてタイヤのトレッド面と路面の摩擦力を高くすることによって強い制動力をもたらしているということです。
ハイグリップタイヤのデメリット
一方で、ハイグリップタイヤを履かせることによるデメリットもあります。
大体はタイヤの特徴がもたらすメリットの裏返しのようなものですね。
①タイヤのライフ(寿命)が短い
②ウェット路面でのグリップ力が弱い
③ロードノイズが大きめ
タイヤのライフ(寿命)が短い
ハイグリップタイヤは、グリップ力を向上させるためにやわらかいコンパウンドのゴムを使用しているので、非常に摩耗が早いです。
一般的なツーリング用タイヤは、約9000km~13,000kmほどのライフがあるのに対し、ハイグリップタイヤは約4000km~7000kmくらいです。
※バイクの重量やタイヤの空気圧、走り方によって割と大きな差が出るのであくまで目安です。
加えて、ハイグリップタイヤは一般的なツーリング用タイヤに比べて、値段が高めなんですよね。
交換頻度とタイヤの価格ともに高いので、サーキットなどを攻め込んだりはしないツーリングユースな人には少しダメージの大きいデメリットでしょう。
ウェット路面でのグリップ力が弱い
濡れている路面を走行すると、路面とタイヤのトレッド面の間に水が挟まるため摩擦係数が低下し、グリップ力が落ちます。
そのような状況下で濡れた路面のグリップ力を確保するカギとなるのが、タイヤの溝です。
濡れた路面では路面とタイヤのトレッド面の間に挟まった水を、タイヤの溝を使って排水することで、グリップ力を確保しています。
しかし、ハイグリップタイヤはドライ路面でのグリップ力向上を目的に、トレッド面の溝を少なくしているのでウェット路面にはめっぽう弱いです。
サーキットで走る分には問題ないかと思いますが、ツーリングの出先で急に雨に降られたなんて時は、かなり神経を使った運転が必要になることもあります。
ロードノイズが大きめ
前述のとおり、ハイグリップタイヤは溝が少なく路面の凹凸を拾いやすいため、ロードノイズが大き目と言われています。
こちらもサーキットで走る分にはあまり問題ないかと思いますが、ツーリングで公道を走ることもあるという方は気になるデメリットかもしれません。
ただ、タイヤの種類(メーカー)によっては、凹凸による細かい衝撃を吸収してくれるなんて話もあるので、一概にすべてのハイグリップタイヤがロードノイズ大き目というわけではありません。
バイク用ハイグリップタイヤのおすすめ4選
各タイヤメーカーの中から、今おすすめしたいバイク用ハイグリップタイヤを4つピックアップしました。
あなたのイメージに合ったタイヤを探してみてください。
ブリヂストン BATTLAX RACING STREET RS10
出典:BRIDGESTONE
ブリヂストンから発売されている「レーシングストリート RS10」です。
サーキットも公道も走れるオールラウンドタイヤ
・前作のBT003STと比較して剛性さが向上
・公道でも安定して使用できるハイグリップタイヤ
「ハイグリップタイヤとしての高い剛性さを持ちながらも、しなやかに貼りつくような走りをする」というのが特徴のタイヤです。
前作のBT003STに比べてゴツゴツとした硬めの印象が強いですが、その分タイヤがヨレたりすることなくカーブに攻め込むことができます。
メーカー指定よりやや低い空気圧を設定して荷重をかけることで、それほど高くない速度域でも十分にタイヤが潰れて安定したコーナリングを実現できるようなタイヤです。
サーキットはともかく、公道で使用する分には十分すぎるスペックのタイヤですね。
ライフは「4,000km前後」とやや短めなので、公道でのツーリングが多い人には少々もったいないかなという印象です。
600cc~1000ccほどの重量のバイクと相性が良いでしょう。
リア(190/55ZR17)
DUNLOP SPORTMAX Q4
出典:DUNLOP
ダンロップから発売されている「スポーツマックス Q4」です。
元はUSダンロップがアメリカ向けに生産したモデルですが、それを日本でも販売し始めたという経緯があります。
性能はスリックタイヤさながら 玄人向けレーシングタイヤ
タイヤの溝はほとんどなく、見た目はスリックタイヤに近いです。
ハイグリップタイヤというよりは、レーシングタイヤにカテゴリされるかと思います。
・スリック技術を基に開発したレーシングポテンシャルが非常に高いタイヤ
・乗り手が自らの意志で舵を切って走らせるタイヤ
・温まりの速さとグリップ力はトップレベル
「運動性能を追求し続けた、究極のレーシングタイヤ」というような印象。
タイヤの温まりが早く、一度温まった後は走れば走るほどグリップ力が増し、バンク角をグイグイ深めていくことができるタイヤです。
一方で、タイヤ自体が無意識に乗り手を補助してくれるというより、ライダーが積極的にハンドリングして”自ら使っていく” というスタンスのタイヤです。
荷重のかけ方やスポーツ走行について慣れている玄人向きなタイヤと言えるでしょう。
ハイグリップタイヤの中でも特に硬い乗り味ですが、剛性さがかなり高いので1000cc~1400ccのビッグネイキッドやメガスポーツの類にも履かせることができるタイヤです。
サーキットメインでひたすらスポーツ走行をするようなタイヤなのでライフは期待できません。
目安は2,000km~3,000kmといったところでしょう。
公道や峠道でも使用可能ではありますが、サーキットオンリーに留めておくのが性能的にもライフ的にも一番有意義に使えるんじゃないかな・・というのが個人的な感想です。
公道は走らずに、「とにかくサーキットで腕を磨きたいんだ!」という方にはかなりおススメできるタイヤです。
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フロント(120/70ZR17)
リア(190/55ZR17)
ミシュラン POWER RS
フランスのメーカーであるミシュランから発売されている「パワーRS(アールエス)」です。
細かい溝が点々としている他のタイヤではあまり見ないパターンが印象的ですね。
ツーリングメインでも使えるロングライフなタイヤ
パワーRSは先にご紹介したブリヂストンのRS10と同じく、1本で公道もサーキットも走れるようなタイヤです。
・ツーリングタイヤにも引けを取らないライフ
・サーキットでも十分に信頼できる運動性能
一言でまとめると「総合力が高すぎるタイヤ」。 操作性、グリップ力、ライフのどれを取っても非常にレベルが高いです。
カーブにスパッと入り込むような切れ込み具合と、車体を深く倒しこんでもブレない安定感があります。
車体を切り返すときの軽やかさも優れていて、メガスポーツのような重量級のバイクでも車体が軽くなったように感じられます。
でもこれだけでは「ハイグリップタイヤとしては当然だよね」という感じ。
ですが、パワーRSは他のハイグリップタイヤに比べてロングライフという特徴があります。
サーキットでひたすらハードに走りこむようなことをしなければ、リッター越えの重量級バイクでも10,000kmほど持ちます。
スポーツ走行はしたいけど、ツーリングメインで使いたい方には非常に嬉しい話ではないでしょうか?
ミシュランの独自機構である2CTが活きている証拠ですね。
ツーリングタイヤほどではないですがウェット性能もそこそこ。ハーフウェットくらいの路面なら卒なく走れます。
むしろ雨で濡れ切った路面をフルバンクで攻めるような人は珍しいので、フルウェットでも “尖った走り” をしなければ問題はありません。
「公道しか走らないけど運動性能が高いタイヤがいい!」
「普段は公道だけどサーキットも少しかじりたい!」
「サーキットをひたすら走り込みたいけど頻繁にタイヤ交換するにはお財布が・・・」
なんて方には非常におすすめできるタイヤです。
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前後セット
フロント(120/70ZR17)
リア(180/55ZR17)
PIRELLI DIABLO ROSSO CORSA II
ピレリから発売されている「ディアブロ ロッソコルサ2」
「ロッコル」なんて呼ばれ方もされてるそうです。
メインはサーキット、たまに公道なスタイルのタイヤ
ミシュランのパワーRSが「公道:サーキット = 8:2」であるならロッソコルサ2はその真逆です。
もちろん公道走行も可能ですが、このタイヤの真価はサーキットにて発揮されるかと思います。
・ネットリと貼りつくようなグリップ感覚
・低温耐性が強く、走り出しでも悪くない安定感
・公道走行における快適さを犠牲に、クローズドコースでの運動性能を追求したようなタイヤ
「サーキットを走るためのタイヤだけど “一応” 公道も走れるよ」というようなタイヤ。
温まりも早く、フルバンクとまではいかなくとも走り出しからそれなりにバンクさせても耐えてくれます。
もちろん一度温まればその運動性能は素晴らしいの一言で、サイド部分がスリック状になっていてほぼ溝がないことからも、車体を倒しこんだ際の安定感は非常に高いです。
ただハイグリップタイヤらしい剛性さから、路面のギャップやロードノイズを拾いやすく公道でのツーリングにはあまり向いてないかな・・という印象。
フロント2層、リア3層のカーカス構造になっていて、メガスポーツやビッグネイキッドでもそこそこのライフは持ちます。
5,000km~6,000kmというところでしょう。
「普段はサーキットが多いけど、現地までは自走」
「たまに公道でツーリングすることがある」
という方におすすめできるタイヤです。
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前後セット
フロント(120/70ZR17)
リア(190/50ZR17)
おすすめのバイク用ハイグリップタイヤ まとめ
各有名タイヤメーカーから発売されているバイク用のハイグリップタイヤのおすすめをご紹介しました。
同じハイグリップタイヤでもツーリングユース型からサーキット特化型のものまで幅広いラインナップがあります。
今回ご紹介したタイヤを以下にまとめてみました。①に近いほどサーキット特化型のタイヤになります。
①ダンロップ スポーツマックス Q4
→ほぼレーシングタイヤ。クローズドコースを極めるならこれ。
②ピレリ ディアブロロッソコルサ2
→サーキット特化型。たまに公道も走るという人向け。
③ブリヂストン RS10
→公道・サーキット両立型。ミドルサイズのバイク向け。
④ミシュラン パワーRS
→公道・サーキット両立型。公道使用に耐えるロングライフ。サーキット性能も文句なし。
あなたの利用シーンに合わせたタイヤを選ぶことをおすすめします。
もっとタイヤのおすすめも見たいという方には・・
下記の記事ではここでは紹介していないタイヤについてご紹介しています。
「この記事に載ってたタイヤは微妙だったな・・」という方は
下記の記事を見ていただけたら、あなたに合ったタイヤが見つかるかも?